挨拶

理事長 関谷隆夫
理事長 関谷隆夫

 日本母体胎児医学会は、1978年に当時の日本産科婦人科学会ME問題委員会委員長であられた鳥取大学の前田一雄教授により、第1回日本産科婦人科ME懇話会として発足し、2000年に日本産科婦人科ME学会へ、さらに2008年には日本母体胎児医学会と名称を変更し、本年で46年目を迎える歴史ある学会です。

 また、本学会の目的は、医学者(M)と工学者(E)が協力して、産婦人科領域におけるメディカルエンジニアリングの学理および応用の研究を推進すると共に、母体胎児医学に関する基礎的、臨床的研究についての発表、知識の交換、情報の提供、教育・啓発活動などを行うことにより、医学・医療の発展に寄与することです。

 昨今、医療体制や社会情勢の変化の中で、こうした理念を実現して社会に貢献して行く為には、学会の体制整備が求められており、本学会においては、将来の発展を目指して『あり方委員会』を発足させ、そこで提言された以下の3項目をもとに学会改革を進めて参りました。
①評議員・理事会制への変更
②超音波検査に加えて胎児心拍数モニタリングに関する教育活動の充実
③若手医師や助産師等の学会活動への参加促進
 まず、学会の運営につきましては、すでに評議員・理事会制へ移行し、同時に学会の取りまとめにつきましても、これまで永年にわたり歴代幹事長に受け継がれ、多くのご負担をおかけして参りましたので、今後は運営上の職務は分担制とし、各担当理事の皆様にお願いさせて頂きました。さらに、学会の円滑な運営と個人に対する負担の軽減を目的として、事務作業の外注化を行いました。

 次に、教育につきましては、これまで行って参りました学術集会を通した学際活動と超音波セミナーに加え、新たにCTGセミナーを通した教育活動を開始することとなりました。また、これまで本学会で編集し、東京医学社より刊行して参りました、『CTGモニタリングテキスト』の改訂も視野に入れております。

 さらに、本学会の発展には、会員のアメニティー向上をはじめ、新規会員の確保が不可欠で、医学者(M)と工学者(E)はもとより、助産師や臨床検査技師をはじめとしたメディカルスタッフの皆さんにもご参入頂けますよう努力して参ります。また、数多くの学会がある中で本学会を選択して頂く為には魅力伝えるための情報発信が不可欠であり、ホームページをリニューアルし、その中で最新の産科診療情報の提供なども開始しております。

 このように、多くの課題に取り組んでおりますが、私と致しましては、これまで多くの先輩方が築き上げてこられた本学会の歴史と伝統を受け継ぐとともに、将来を見据え、会員をはじめ役員の皆様とともに本学会の活動を通して母体と胎児の明るい未来の実現に貢献して参る所存でございますので、ご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2023年4月1日
日本母体胎児医学会 理事長 関谷隆夫
(藤田医科大学産婦人科学講座特任教授)